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放射線部

3.0テスラMRI導入の効果

当院は、2013年1月に3.0テスラMRIを導入しました。 以来、既設の1.0テスラMRIと並行稼働し、日々の診療に活用しています。 導入は、各診療科の診療にどのような効果をもたらしているのでしょうか。

各科の医師が検証します。

脊椎や骨軟部領域の詳細な評価が可能に  整形外科

整形外科部長  武井 良憲

3.0テスラMRI  1.0テスラMRI

左:3.0テスラMRI    右:1.0テスラMRI

膝の矢状断像。3.0テスラMRIでは十字靱帯や筋肉、脂肪などが
より鮮明に描出されています。

従来から1.0テスラMRIを利用して脊椎・関節・骨軟部等の検査を行っておりましたが、 3.0テスラMRIの導入で、信号強度が3倍になることによって信号雑音比の改善があり、 全身領域において体動によるアーチファクト(ニセの病変)を軽減した良好な画像が得られるようになりました。 1.0テスラに比較して軟部組織のコントラスト分解能も向上し、 関節軟骨・骨梁・軟部組織の性状をより詳細に評価することが可能となり、 関節軟骨の変性像も見えてくるようになりました。 また、高い分解能のMR画像により脊椎全体の評価も詳細に可能となっています。

ただし、磁界が強くなった分、金属に強く反応するため 人工関節・骨折内固定材料などが体内にある方は検査できない場合もあります。

乳房温存手術に極めて有用  外科

外科部長  長田 裕典

3.0テスラMRI

造影ダイナミック撮像による乳癌の検出。
矢印の先に早期乳がんがあります。

外科領域の診断においてMRI検査は、3.0テスラ機器の使用によってますます重要なものとなりました。 特に私たちが専門とする消化器領域(特に胆道、肝臓の腫瘍や結石)および乳がん領域において、 すばらしい情報を提供してくれます。

ここでは乳がんについて述べてみます。 MRIはまず、小さいがんの発見に役立ちます。 さらに乳房内部での拡がりを的確に教えてくれます。 脂肪抑制強調画像、拡散強調画像、造影ダイナミック撮像を組み合わせることにより、 乳房温存治療を行う上での安全な切除範囲などが判定できます。

ただ、検査中は20分ほど、うつ伏せの状態となりますので、やや窮屈な感じがあります。

圧倒的に高い分解能  脳神経外科

脳神経外科

3.0テスラMRIは1.0〜1.5テスラMRIと比較し圧倒的に高い信号雑音比(S/N比)により、 頭部領域における高分解能画像を得ることが可能です。 また、形態検査のみならずfMRIやMRSなどの機能検査においても有用です。

fMRI(機能MRI)
fMRI(機能MRI)

運動課題をしながら撮影したMRI。 運動野の血流が増加し、画像で同定されます。 高画質で安定した画像が得られる3.0テスラMRIを用いて、 運動や言語課題をしながら撮影することにより、 運動野や言語野を同定することができます。 脳腫瘍などにより運動野や言語野が偏位している場合に、術前検査として有用です。


fMRI(機能MRI) 
MRA

1.0テスラ装置では描出困難なレンズ核線状体動脈からの穿通枝が明瞭に描出されています。


3.0テスラにおける救急MRI
3.0テスラにおける救急MRI

超急性期脳卒中においては、拡散強調−T2*強調画像−MRAがわずか6分で撮像が終了します。 3.0テスラではS/N比の高さから撮像時間が短縮可能なだけでなく、 磁化率効果の増大によりT2*強調画像での血栓や出血の検出能が向上しています。


拡散テンソル画像・トラクトグラフィー  拡散テンソル画像・トラクトグラフィー
拡散テンソル画像・トラクトグラフィー

腫瘍に近接する脳の神経線維を3次元的に描き、位置関係を示します。 運動や言語の機能を伝える神経線維を描き、腫瘍との関係を示します。 これにより、障害を出さずに腫瘍を最大限摘出するための手術戦略を立てることができます。


FIESTA  FIESTA 
FIESTA

実効スライス厚0.2mmでの撮像を行うことにより、微細な脳神経を明瞭に描出することが可能です。


MRスペクトロスコピー(MRS) 
MRスペクトロスコピー(MRS)

関心領域の代謝物を検査することにより、脳腫瘍、炎症、変性疾患などの鑑別診断ができます。


非造影パーヒュージョン画像 
非造影パーヒュージョン画像

造影剤を用いないために、全く非侵襲的に繰り返し脳血流が評価できるため、 造影剤が使用困難な場合(副作用既往、喘息など)、経過観察、脳ドックなどで応用されています。


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