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リハビリテーション部

音楽の力

私たちが生活している場にはたくさんの情報や刺激があり、聴覚や視覚、その他の感覚を通して脳・神経に伝わっています。 中でも音楽は、刺激を頭で判断する前に、身体を揺らしたり、涙を流すなど、無意識のうちに反応を示すことができます。 また同時にいくつもの脳の機能が働きます。 音楽は、クラシック・流行歌・カラオケ・鼻歌等どんな形態であろうと、その人のさまざまな面にいい影響を与える機能を持っています。

音楽療法とは

日本音楽療法学会によると音楽療法は、 「音楽の持つ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、 行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」と定義されています。

音楽の機能を使い、より良い反応を引き出すことができるよう、 その人にあった活動を考案し、継続して治療に介入することが音楽療法士の行う音楽療法です。

音楽の効果と目標

音楽療法の内容

現在当院では1名の音楽療法士が、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士と一緒、もしくは単独で音楽療法を行っています。 音楽療法を行う際は、神経学的音楽療法の手法を元に、それぞれの患者さまにあったプログラムを立案し提供しています。

音楽療法のようす 音楽療法のようす

音楽にあわせて身体を動かすことで、運動機能の維持・向上を
図ります

運動面
パーキンソン病や脳神経疾患など、運動に障がいがある人に対して、 リズム・音楽・楽器演奏を通して日常生活で必要となる正常な運動・動作を促します。
動作面では、足を踏み出す練習として、楽器を目標とし合図にあわせて音を出したり、 ばちを持って楽器をならすことで腕の可動域を広げる手助けをします。

音楽療法のようす

タイミングよく音を出すことで呼吸器官の
機能向上を図ります

発話・言語面
失語症や認知症、言語面で問題がみられる人に対し、歌を通して正しく言葉を出す練習をしたり、 声のコントロールとしてリズムや楽器を使った発声、呼吸練習を行います。
音楽に合わせて行うことで緊張することなく声を出す練習を行うことができます。

認知面
演奏活動や音楽聴取を行うことで、注意力、記憶力、物事を実行する能力に働きかけます。 認知症、高次脳機能障がい(覚醒・空間無視)の人に対し行っています。
サウンドブロック オートハープ
サウンドブロック(鉄琴)             オートハープ

その人にあわせて位置や種類を変えることで、身体面・認知面の機能向上を図ります。


期待される効果

当院で音楽療法を受けた患者さまからは、 「楽しくリハビリができた」「明るい気分になった」などの感想を多くいただき、リハビリの成果は上がっています。 また、パーキンソン病の患者さまでは、歩行のリズムが良くなり、「すくみ足」が改善した方もおられます。

音楽療法の歴史は古く、古代より原始宗教・自然崇拝の儀式や呪術に音楽が用いられたり、 うつの治療に利用されたのが始まりといわれています。 第二次世界大戦中には米国の野戦病院で音楽を流したところ、負傷した兵士の治癒が早まったという記録も残っています。 音楽が治療によい効果をもたらすことは、古くから実証されています。

現在では、心身のケアとしての音楽が認識され、医療の場で活用され始めています。 これからも研究が進められ発展していく治療法です。

音楽療法士 高橋

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