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突然の症状への対応 こんな症状があったら要注意
2013/12/15 高知市一宮東町トーメン団地東山台集会所 トーメン団地講演会


頭痛や腹痛などよくみられる症状の中には、時として危険な疾患が隠れていることがあります。 脳卒中や心筋梗塞などの疾患は、すぐに専門の医師の診断を受け、直ちに治療を開始する必要があります。 いつもとは違う突然の激しい痛みなどの症状が現れたら、躊躇せず救急車を呼びましょう。
ここでは、症状とその特徴や部位から、一般的にその原因になると考えられる疾患の例をご紹介します。 ただし、例はあくまでも参考であり、医師の診断に代わるものではありません。ご承知置き願います。
頭痛
急な激しい頭痛の場合は、くも膜下出血の可能性があります。 ハンマーで殴られたような頭痛、意識消失や嘔吐などの症状がみられます。 血管にできたコブ(動脈瘤)の破裂により脳の表面を覆うくも膜の下に出血した状態で、 直ちに脳神経外科専門医の診断を受け、治療を開始することが重要です。
意識障害
意識障害は、外部からの刺激に対して、反応が障害された状態です。 呼びかけても返事がなく、触っても反応がありません。 半数以上が脳に起因していますが、代謝疾患など脳以外に起因するものも少なくありません。
発熱
冬場、急激に38℃以上の発熱があった場合、インフルエンザが疑われます。 頭痛、筋痛や関節痛を伴うのが特徴です。 高齢者の場合は、気管支炎、脳炎、肺炎などの合併症を引き起こすこともあるため、注意が必要です。
めまい
自分自身や周囲がぐるぐると回っている(回転性)、ふわふわしてふらついてまっすぐ歩けない(浮動性)、 立ち上がるとくらっとして目の前が暗くなる(立ちくらみ)など、症状はいくつか種類があります。 原因は多岐にわたり、脳血管疾患が原因であることもありますが、最も多くみられるのは、良性発作性頭位めまい症です。
胸痛
突然の激しい胸の痛みは、心筋梗塞や大動脈解離の可能性があります。
心筋梗塞は、心臓の周りの血管が詰まり、心臓の筋肉が壊死する病気です。 壊死した筋肉は再び動くことはありません。 胸の中心部に、握りこぶし大のものを抑えつけられるような痛みが15分から30分以上続きます。
大動脈解離は、血管内の壁が剥がれる病気です。 発症時に、胸部や背部に引き裂かれるような痛みを伴います。
息切れ・呼吸困難
息切れが強いときは、酸素欠乏や炭酸ガス(二酸化炭素)過剰な状態になっていることが考えられます。 肩で息をして酸素を補おうとしますが、補いきれなくなると意識を失ったり、心臓が止まってしまうこともあります。
腹痛
お腹の痛みは、最もよく訴えられる症状の一つ。 内臓や器官が多いため、痛みの原因はさまざまです。 診断は、痛みがどの部位にあるかがポイントとなります。

症状や部位から考えられる主な原因
内科 吉井和也