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パーキンソン病のリハビリテーション

2014/04/04 7階多目的ホール 第39回脳と神経の勉強会


パーキンソン病と転倒

パーキンソン病は、中脳黒質の神経細胞の減少で起こる進行性変性疾患。 体が傾きやすい、足が出にくいなどの症状から転倒率が非常に高くなります。 また、健常者に比べ体力の低下を来たしやすく、活動量が低下します。 しかし、「転びそうだから」「億劫だから」と動かずにいると、動けなくなる危険が高くなるため、 日頃から運動習慣をつけることが重要です。

パーキンソン病の特徴とリハビリ

固縮(筋強剛)

筋肉が固まり関節が動きにくくなります。 ストレッチが重要です。 体を後ろに伸ばす、横にひねる、横に倒すなどの動きを行いましょう。

無動(寡動)

動作がゆっくりになります。 パーキンソン病患者さんは、自分の状況を自分で気づきにくくなるため、 大きく一歩を出す、大きく腕を振るなど、一つ一つの運動を意識して行いましょう。

姿勢反射障害

バランスがとりにくくなります。 体を前後左右に動かして、重心移動の練習をしましょう。 元の位置に素早く戻せるようにすることが、転倒予防に重要です。

姿勢の乱れ

体が傾きやすく、そのことに気づきにくくなります。 鏡などで確認して、徐々に感覚で気づけるよう認識を強化しましょう。

すくみ足

足が出にくくなります。 意識しすぎたり緊張したりすると症状が強くなります。 時間や距離、精神的に余裕を持って動くよう心がけましょう。

杖や歩行器などの補助具、手すりや福祉用具など使用するのもよいでしょう。 ご自身や生活環境にあった補助具・用具を選択することが大切です。 主治医やリハビリスタッフにご相談ください。

すわってできる体操

椅子にすわったままできる体操をいくつかご紹介します。

パーキンソン病体操 パーキンソン病体操

パーキンソン病体操

  • 頭の上で手を組み伸びる(左写真)
  • そのままゆっくり上体を横に傾け脇を伸ばして止める。左右行う
  • 組んだ手を肩の高さで横に伸ばして止める。左右行う(右写真)
  • 片足ずつ膝をあげて止める。左右行う
  • 片足ずつ床と平行になるよう膝を伸ばして止める。左右行う

体力低下、関節や筋肉の硬化を防ぐための体操です。 いずれも動作はゆっくり大きく、「1,2,…」の掛け声に合わせ意識して行うのがポイント。 毎日続けて行いましょう。

理学療法士 菅良太


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