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「SGLT2阻害薬」「入院中の血糖コントロールとケア」

2014/4/23 7階多目的ホール 第34回糖尿病勉強会


糖尿病薬の基本!!飲み薬編 SGLT2阻害薬

薬剤師 山崎清貴


糖尿病治療で、食事療法と運動療法で血糖が改善しない場合に選択されるのが、薬物療法です。 糖尿病の薬には、飲み薬と注射薬があり、飲み薬はその作用により6つに分類されます。 今回は、その中から、SGLT2阻害薬をご紹介します。

腎臓の機能による糖の流れ

腎臓の機能による糖の流れ

他の分類の薬が膵臓に作用してインスリンの分泌を促すのに対し、 SGLT2阻害薬は腎臓に作用して尿から糖が再吸収されるのを阻止する、まったく新しい作用の薬です。 SGLT2とは、尿細管(尿の通り道)から血管につながる糖の通り道のことです。 SGLT2の働きを阻害して糖が再吸収されるのを防ぎ、尿と一緒に排出することで、血糖値を下げます。

尿中の糖の値が高くなることにより、尿路感染症や性器感染症(特に女性)が起こりやすいため注意が必要です。 また、尿糖検査で糖尿病の状態を評価することはできなくなります。 他に、頻尿や尿量の増加とそれによる脱水症状にも注意しましょう。 また、体重減少などの効果がみられるという報告もあります。

SGLT2阻害薬は、主に2型糖尿病の方に処方されます。 詳しく知りたい方は主治医や薬剤師にお声がけください。


入院中の血糖コントロールとケア

看護師 小川佳代


ご自分の体に関心をもち、
管理の大切さを知ることが重要

糖尿病の患者さんはなぜ血糖コントロールが必要なのでしょうか? それは、高血糖では体の細胞の機能が低下し、低血糖では脳の細胞を障害し、体への影響が大きいため。

当院では、糖尿病の治療で入院される患者さん一人一人に合ったプログラムを立て、チームで治療にあたります。 食事は運動量などに合わせて管理栄養士が管理、服薬は患者さんの状態によって看護師が管理することも。 カロリーと体重は理学療法士や作業療法士による運動療法で管理。 糖尿病患者さんが気づきにくく悪化しやすい足の傷に注意し看護師がフットケアを。 良好な血糖コントロールを保つようチームで支援し、健康な生活を送られるようお手伝いします。

しかし、一番重要なのは、患者さんご自身がご自分の体の状態に関心をもち、管理することの大切さを知ること。 ご自身の理解が十分でないと管理も不十分となり、退院後も良好な血糖コントロールを保つことができなくなります。 ご自身やご家族の過剰な負担にならないよう、ヘルパーなど受けられる援助についてのご相談にも応じます。 快適な生活を続けられるよう一緒にがんばりましょう。

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