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「尿検査からわかること」 「感染への予防と対策」
2014/12/17 7階多目的ホール 第38回糖尿病勉強会
あなたの尿が教えてくれる体のメッセージ
尿検査からわかること
臨床検査技師 福留由香里

定期的な検査で
病気のサインを見逃さないように!
尿検査には、尿の成分を調べるものの他、尿に排出される細胞や細菌を調べるものがあります。
尿検査は、さまざまな病気を見つける第一歩。痛みを伴うことのない簡単な検査です。 検査をしっかり受けて病気のサインに早く気づいて見逃さないようにしましょう。
尿検査の項目とその結果からわかること
pH |
健康な人の尿は弱酸性。アルカリ性・酸性へと極端に外れた状態が長期間続けば何らかの 疾患が疑われます。 |
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比重 | 尿中の水分とそれ以外の成分の割合を表したもの。老廃物が少なければ、値は低くなります。 |
尿糖 | 血糖値が一定を超えると(一般的には160〜180mg/dl以上)、糖が排出されます。 |
尿たんぱく | 腎臓が障害をうけていたり働きが悪くなったりすると、たんぱくが排出されます。 |
ケトン体 |
糖質が不足するなどの状況で、糖質の代わりに脂質がエネルギー源として使われたときに、 代謝物として排出されます。 |
潜血 | 腎臓や尿管、膀胱など尿の通り道に異常があると、尿に赤血球が混じります。 |
細菌 | 尿中の細菌の有無を調べて感染していないかをみます。 |
白血球 | 腎臓や尿路、膀胱に炎症があると、尿に白血球が混じります。 |
ビリルビン | 肝臓や胆道に障害が起きると、尿へと排出されます。 |
ウロビリノーゲン | ビリルビンが腸に排出され、腸内細菌によって分解されると排出されます。 |
糖尿病の方は感染症にかかりやすいから
感染への予防と対策
看護師
血糖値が250mg/dl以上になると体内に入った細菌を殺す好中球の働きが弱くなる、免疫機能が低下する、 血流が悪くなることが原因で、糖尿病の方は感染しやすくなります。 そればかりか、重症化しやすく、治りにくいという、3つの危険な要素が絡んでいます。
糖尿病治療中の方が、インフルエンザや風邪、発熱、下痢、嘔吐、食欲不振など 体調が優れない状態であることを「シックデイ(病気の日)」と言います。 シックデイになると、血糖コントロールが難しくなる上、ストレスホルモンが出て血糖値を上昇させます。 さらに、インスリンの分泌や働きが悪くなり血糖値が上昇します。 血糖値をできるだけ正常レベル近くに保つことが大切です。
シックデイには次のことに注意しましょう。
- 温かくして安静に。運動は中止する
- できるだけ水分をとり、少しでも食事をする(水分制限のある方は医師に確認を)
- 血糖値・体重・体温など症状をこまめにチェックする
- 食事ができなくても、自己判断でインスリン注射を中止しない
- 重症化する前に早めに診察を受ける