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ボトックス治療について

2015/01/09 7階多目的ホール 第48回脳と神経の勉強会

ボトックス治療とは

脳卒中後によくみられる運動機能障害である手足の痙縮(けいしゅく・筋肉のつっぱり)に対して行う治療の一つです。 つっぱりのある筋肉(腕やふくらはぎなど)に、 筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があるボツリヌストキシンという薬を注射します。

痙縮に対しては2010年から行われている新しい治療法ですが、 眼瞼痙攣(まぶたがピクピクする)の治療には1996年から行われ、約20年の実績があります。

痛みが強い方、動きにくさから衛生的ケアが困難な方、動作回復が望める方に適した治療法です。

期待できること

肘が伸び肩が上がるようになることで、着替えなどがしやすくなります。 また、痛みが和らぐことで、リハビリや介護がしやすくなります。 効果は通常3〜4ヶ月間持続します。

ただし、個人差がありすべての方に同じように効果が得られるわけではありませんので、ご了承ください。

治療の流れ

まずは痙縮外来を受診してください。診察を行い、ボトックス治療の適応を判断するとともに、適切な治療法を検討します。 ボトックス治療の適応の場合、治療日程を相談します。 ボトックス治療は集中的なリハビリテーションと組み合わせて行うため、基本的には2週間の入院をしていただきます。

入院日の午前中に入院していただき、午後にボトックス治療とリハビリを、翌日から13日間集中的なリハビリを行います。 退院後は通院していただき外来でリハビリを行います。

脳卒中後の人生を より自分らしく

脳血管疾患の場合、医療保険でできるリハビリは最長180日の制限があります。 ただし、長期にわたるリハビリ介入が有効と考えられる痙縮については、 1回目のボトックス治療であればその開始日に180日のカウントがリセットされ1からカウントが始まるため、 医療保険でリハビリを受けることができます。

脳卒中後も人生は長く続きます。 患者さんがよりご自分らしくいきいきと暮らせるよう、適切な治療を提供することでお手伝いができればと思っています。

脳神経外科

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