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認知症高齢者と医療の関わり

2017/02/03 7階多目的ホール 第73回脳と神経の勉強会

第73回脳と神経の勉強会のようす

認知症高齢者が直面する
治療上の問題

病気にかかりやすく、症状も重くなりやすい高齢者。 認知症を有する高齢者が病気になって治療を受けられる際、場面によりさまざまな問題に直面します。


外来
高次脳機能障害の症状とその特徴



治療を安全に行うことができるかどうかがポイントに


意欲や認知機能の低下などでリハビリの継続が困難に。

適切な診断のためには問診が不可欠です。 患者さんの言動などから認知症の状態は評価できますが、 病気の症状などはご家族からお聞きしたいと思いますので、一緒に来院をお願いします。 日頃から患者さんの症状や認知症の状態を観察しお話いただけると診断の役に立ちます。

急性期

まずは病気の治療が最優先。 しかし、本人の理解と安静が得られるかが問題です。 手術後の処置や服薬の管理などを安全に行うことができるかどうかがポイントになります。 治療の効果と危険性のバランスを考慮する必要があるでしょう。

回復期

機能回復・維持のためのリハビリは重要です。 しかし、高齢者は症状が重く合併症の危険性が高くなりやすい上、認知症の方は物事に無関心となり意欲が低下する方が多く、 リハビリの継続が問題となります。 また、現行の制度ではリハビリを受けられる期間の上限が若年者と同等であることも問題の一つです。

慢性期

在宅を含めた退院の可能性を模索します。 ご本人の状態とご家族の介護力。 幻覚・妄想・徘徊などへの対応、家族による観察・介護、将来の方針などを考慮して、 自宅・施設・病院など退院先を検討します。 このとき問題になるのは、家族の負担。 患者への想いと現実の間で家族は悩みます。

終末期

認知症の有無に関わらず、最期をどこでどのように迎えるか、納得できる形を家族で話し合うことが大切です。


診察にはご家族も一緒に来院を

患者さんの状態にあわせた支援を

治療、リハビリ、福祉の提案・相談などできる限りの支援で、ご本人・ご家族を支えたいと考えています。


脳神経外科・もの忘れ外来担当医 楠木 司

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