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「合併症〜眼科受診してますか?」「低血糖について」

2017/4/26 7階多目的ホール 第52回糖尿病勉強会

「合併症〜眼科受診してますか?」

内科 西岡 真理子

内科・糖尿病外来担当医 西岡 真理子

糖尿病の本当の怖さは、合併症

糖尿病は血糖値が高い状態が続く病気ですが、多少血糖値が高いぐらいでは自覚症状はほとんどありません。 健康診断や検診で見つかって来られる方もいらっしゃいますが、 自覚症状がないだけに、何かの症状が出てかなり状態が悪くなってから受診される方も多くいらっしゃいます。

しかし糖尿病を放置していると、神経や血管、さまざまな臓器に障害をもたらします。 全身の神経の働きが鈍り、手足にしびれ、麻痺、痛みなどが現れます。 また網膜症を併発し、成人後の失明の一番の原因となっています。 さらに腎臓の機能も低下し、人工透析の一番の原因となっています。 糖尿病の本当の怖さは、この合併症なのです。

糖尿病の主な合併症

糖尿病の主な合併症

糖尿病の合併症には、毛細血管が傷ついて起こる糖尿病網膜症・糖尿病腎症・糖尿病神経障害と 太い血管が傷ついて起こる脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・下肢閉塞性動脈硬化症があります。

今回はこれらの合併症の中から、糖尿病網膜症についてお話します。


糖尿病網膜症とは
網膜

眼球を覆う最も内側の膜で、
外界の光を受けて像を結ぶ、
目の最も重要な部分。

糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因で目の中の網膜という部分が障害され、視力が低下する病気です。 高血糖によって網膜の血管がもろくなり、出血したり、血液中のたんぱく質や脂肪が浸み出してシミが出たり、細小血管にコブがみられます。

初期段階では自覚症状がなく、血糖コントロールが良好であれば通常自然に消失します。 しかし、進行すると急に視力低下などが出現。最悪の場合、失明することもあります。

この他、網膜症の進行とは関係なく併発する合併症に、糖尿病黄斑症があります。 黄斑部の毛細血管が障害されて黄斑部やその周囲に浸出液がたまってむくみ、視力低下を来たす病気です。

糖尿病網膜症の検査と治療
糖尿病網膜症の発症率

糖尿病網膜症の発症率

精密眼底検査や蛍光眼底造影、光干渉断層計(OCT)などの検査で、網膜や血管の状態を調べることで診断できます。 当院でも簡易眼底検査は行うことができますが、眼科で定期的に精密眼底検査を受けられることをおすすめします。

治療法には、血糖コントロール、レーザー光凝固術、薬物注射、硝子体手術があります。

糖尿病網膜症の発症・進行を防ぐために
糖尿病網膜症の進行と自覚症状、検査の目安

糖尿病網膜症の進行と自覚症状、検査の目安

糖尿病網膜症は症状が現れたときにはかなり進行していることも少なくありません。 定期的に眼科で検査を受けましょう。 高血糖の状態が続くと病気は進行します。 良好な血糖コントロールを心がけましょう。 血圧、脂質の管理も行いましょう。


「低血糖について」

看護師 吉川 和駿

看護師 吉川 和駿

低血糖とは

糖尿病は 血液中のブドウ糖の濃度が高い状態(高血糖)が続く病気です。 糖尿病の治療は薬などを使って血糖値を下げますが、血糖が下がり過ぎると低血糖を引き起こします。

低血糖が起こりやすいのは、いつもより食事時間が遅くなったとき、いつもより食事摂取量が少ないとき、 薬や注射で補ったインスリンの量が多かったとき、激しい運動や長時間の運動後、入浴時などです。

低血糖症状が出たら
血糖値と低血糖症状

血糖値と低血糖症状

低血糖の症状(上図)が出たら、飴やジュース、砂糖、ブドウ糖などを摂って血糖値を上げましょう。 意識がもうろうとして自力で対処できないときは、まわりの人に協力してもらい、すぐ医療機関を受診してください。 日頃から糖尿病連携手帳などを携帯し、まわりの人に糖尿病の治療中であることが分かるようにしておくと安心です。 また、対処法を主治医に確認しておき、冷静に判断することが大切です。

規則正しい生活と血糖値の良好なコントロールを心がけましょう。

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