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認知症の薬

2019/02/01 7階多目的ホール 第97回脳と神経の勉強会

第97回脳と神経の勉強会のようす

薬物治療早期開始効果のイメージ

早期からの薬物治療が重要です

 認知症の治療は、進行のスピードを緩やかにすることが基本です。そのためには、早期に発見し、アルツハイマー型・脳血管性・レビー小体型などどの分類の認知症かを正しく診断すること。患者さんご本人やご家族が認知症を理解すること。患者さんが落ち着ける環境を整えること。そして、早期から薬物治療を開始することが重要です。

 ここでは、アルツハイマー型認知症の薬物治療についてお話しします。




アルツハイマー型認知症の薬

 認知症の症状は、記憶障害・失見当・失認・失語など認知機能障害の中核症状と、徘徊・暴力などの行動障害、無気力・うつなどの精神症状を含む周辺症状に分けられます。

 中核症状に対しては、脳内の神経伝達物質の減少を阻害する薬や興奮性伝達物質の放出を抑制する薬が使われます。周辺症状に対しては、環境整備が最も大切ですが、向精神薬や漢方薬などを使うこともあります。その他、脳梗塞の再発を予防する抗血小板薬、めまいの薬などの血流改善効果が、限定的ではありますが認知症改善にも期待できるのではないかと言われています。

 患者さんの状態や困っている症状、ご家族の生活、薬の副作用なども考慮し、適切な治療を行っています。

アルツハイマー型認知症にみられる症状と処方薬の例
アルツハイマー型認知症にみられる症状と処方薬の例

脳神経外科・もの忘れ外来担当医 楠木 司

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