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認知症に伴う行動異常とその対応

2019/10/04 7階多目的ホール 第105回脳と神経の勉強会

第105回脳と神経の勉強会のようす

  認知症とは一旦発達した知能が、さまざまな原因で低下し、生活機能が困難になる状態を言います。認知症には中核症状と周辺症状(BPSD)があり、記憶が積み重ねられなくなったり、判断力が鈍ったりという中核症状が主な障害です。妄想や徘徊などは付随する周辺症状で、認知症の進行度とは比例しません。しかし、周辺症状に悩まされている方は少なくありません。周辺症状を悪化させない対応として、「ダメ」という否定的な言葉や、苛立ち口調、早口、せかす、羞恥心を煽るようなことは避けましょう。また夕方から夜の時間帯に行動異常が起こりやすく、徘徊には注意が必要です。但し、閉じ込めや行動の制限は、余計ストレスになり、行動異常を起こしかねません。肉体的、精神的に安心できる場所を探して、徘徊するケースも多くみられます。お互いが安心できる空間づくりのため、対応を工夫してみてはいかがでしょう。

介護者が心がけること

 認知症患者さんの対応として、これが正解というものはありません。病気を理解し、病気であることを理解すること。患者さんの日常の行動から特徴を捉え、少し余裕を持った対応を心がけてみましょう。


認知症に伴う行動異常とその対応


脳神経外科・もの忘れ外来担当医 楠木 司

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