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慢性腎臓病(CKD)

腎臓は“肝腎かなめ”の臓器です

腎臓

腎臓は背柱の両側に左右1対あり、赤褐色でソラマメ状をしています。 体に不要な老廃物や多くの取り過ぎた物質を血液中から濾過(ろか)し、 尿として体外に排泄するはたらきをします。

腎臓には主に4つの働きがあります。

体内老廃物の排泄
血液中の老廃物を排出し必要な物質を吸収します。
体液量の維持
体内の水分量を一定になるよう調節します。
体液組成・酸塩基平衡の調整
電解質を正常に保ち、血液pHを一定に維持します。
内分泌作用
ホルモンの産生や活性化を行います。

このように、腎臓は体内をきれいな状態に保つために不可欠な、まさに“肝腎かなめ”の臓器。 一旦悪くなると自然には治りにくい臓器です。

定期的に検査を受けてご自分の腎臓の状態を知っておくことをおすすめします。

慢性腎臓病(CKD)について

腎臓の働く力(GFR)が、健康な人の60%以下の状態が持続すると、慢性腎臓病と診断されます。 GFRは、性別・年齢・血液検査「血清クレアチニン」値の3つで簡単に求めることができます。

慢性腎臓病の原因には、喫煙・飲酒など生活習慣の乱れ、肥満、糖尿病・高血圧・高脂血症などの生活習慣病があります。

また、慢性腎臓病の方は、そうでない方に比べて脳卒中や心筋梗塞、心不全などを発症しやすいことが分かっています。

腎臓を守るために自分でできること

残念ながら、悪くなった腎臓の働きを回復させる特効薬はありません。 ご自分の腎臓の状態を把握して、以下のような自己管理や生活習慣の改善を心がけ、 予防・悪化スピードを緩やかにするよう努めましょう。

  • 血圧は、130/80mmHg未満
  • 血液検査「HbA1c」値は、6%未満
  • 血液検査「LDL‐C」値は、120mg/dl未満
  • 禁煙
  • 減塩・たんぱく制限した食事
  • 適度な運動 など

自分の健康にもっと関心を

腎臓の働きが悪くなると、その働きを代替する血液透析を受けなくてはいけなくなります。 2011年末現在、透析患者数は全国で30万人超。 透析が必要となった原因疾患は、糖尿病に次いで慢性腎炎が多くなっています。 そして残念なことに、原因が不明という方が1割ほどもいらっしゃいます。

ご自分の体にもっと関心をもち、健康意識が高まり、透析が必要となる方が減少することを願います。

泌尿器科 近澤成和

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