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放射線科
3.0テスラMRI導入
迅速・信頼性の高い診断を強力にサポート
当院導入の3.0テスラMRI機器。2013年1月より稼働し、診断に活用しています。
3.0テスラMRIとは
左)頭部の冠状断画像。脳実質が精細に描出されるようになりました。
右)頭部の横断面血管画像。細かな血管まで撮影可能となりました。
磁石が鉄や他の磁石に近づいたときに及ぼす力を磁力といい、磁力が働く範囲を磁界といいます。 テスラとは、磁界の強さを表す単位(1テスラ=10000ガウス)で、数字が大きくなるほど強い磁界を発生します。
MRIは、磁気と電磁波、水素原子の共鳴現象を利用して、体の断面を画像化する機器です。 磁場をつくる装置の中で体に電磁波を当てると、体内の水素が磁気に反応して信号を発します。 その信号を捉えて、コンピュータで解析し画像にします。 機器が発する磁界が強いほど、鮮明な画像を得ることができます。
MRIでは、脳梗塞や脳出血、動脈瘤、脳腫瘍、頭部外傷などの頭部疾患、 そして頭部以外の全身の臓器の腫瘍や結石のほか、脊髄や関節、ヘルニアなどの疾患の診断が可能です。 また、胆管や膵管などの管、心臓や血管を画像化して診断することもできます。 さらに、靭帯損傷、肉離れ、骨軟部腫瘍、変性脱髄疾患などの診断にも有用です。
縦、横、斜め、あらゆる方向から撮影することができ、放射線を利用しないため被爆の心配もありません。 また、造影剤を使わずに血管撮影できるため、患者さんにはより少ない負担で検査を受けていただくことができます。
3.0テスラMRI導入のメリット
導入によるメリットを最大限に活かして
※ 検査内容により撮影時間が長くなる場合もあります
当院はこれまで、1.0テスラMRIを1台稼動してきました。 今回導入したMRIは3.0テスラで、磁界の強さは3倍となりました。 より鮮明な画像が得られるようになったため、部位の大きさや位置などをより詳しく、より細部まで知ることができるようになりました。
また、2台のMRIを並行稼動することにより撮影の混雑も緩和され、 患者さんが希望される時間帯の予約がこれまでに比べて取りやすくなりました。 待ち時間短縮にもつながると期待しております。
安全対策について
3.0テスラMRI機器からは、撮影していないときでも、病院が停電しているときでも、24時間365日、磁場・電波が発生しています。 磁場の中では磁性体(磁場内で磁石化する物質)のものが影響を受け、電波を浴び続けると発熱や低温火傷などの危険がありますが、 機器のある検査室は、これらが外部に漏れないよう壁・床・天井に防御処理を施していますので、 検査室周辺でこれらの影響を受けることはありません。ご安心ください。
また、医師・全職員を対象にそれぞれ勉強会を実施。 医師・放射線技師・看護師により運用の打ち合わせを重ね、より安全に検査を受けていただける体制を整えました。
撮影前の注意事項
磁力は治療にも利用されているほどで、生体への悪い影響はほとんどありませんが、 特に3.0テスラMRIは金属に対する反応が強く出るため、 ペースメーカー・動脈瘤クリップ・脳深部刺激装置・人工関節などが体内にある方、いれずみのある方、 眉・アイラインタトゥーをしている方はMRI検査を受けることができない場合があります。 また、妊婦および妊娠している可能性のある方も受けることができません。
車いすやストレッチャー、酸素ボンベ、点滴指示棒などの医療器具は磁場の影響を受けないものに交換いたします。 その他の注意事項も、予約時や撮影前に医師・放射線技師・看護師が確認させていただきます。
磁界が強くなった分、3.0テスラMRIは1.0テスラMRIに比べて注意事項も多くなっています。 3.0テスラでは検査をお受けいただけない場合でも、1.0テスラでは検査が可能な場合があります。 また、検査部位などにより1.0テスラでも十分に診断可能な場合もございます。 状況に合わせて最適な機器を選択いたしますので、安心して検査をお受けいただけます。
放射線科 西本 均
放射線技師 藤田純二