神経内科
神経内科のご紹介
神経内科という診療科がどのような病気を診療するのかご存知ですか?
呼吸器内科や血液内科と比べると認知度の低い診療科です。 特に高知県では神経内科専門医が少なく、神経内科の常勤医がいる病院が数病院ほどしかないこともあり、 神経内科という診療科にはあまり馴染みがないのが現状だと思います。
神経系は脳と脊髄からなる中枢神経と全身に分布する末梢神経から成り立っていて、 私たちの活動や機能をコントロールしています。 ものを考えたり感じたりするのは神経系の働きによるものですし、 手足を動かしたり、話をしたり、食べたり飲んだりするのは神経系と筋肉の共同作業です。 循環や呼吸、消化、体温の調節など私たちが生きていくのに重要な機能は自律神経が調整しています。 神経内科の守備範囲は神経系と筋肉の病気で、広く、全身の症状を診察します。
神経内科で診療を行う病気
神経内科で診療する病気で数が多いのは、頭痛、脳血管障害、認知症、パーキンソン病、てんかんの5つです。
神経内科が守備範囲とする主な病気
- 頭痛: 片頭痛、緊張型頭痛など
- 脳血管障害: 脳梗塞が中心
- 認知症: アルツハイマー型認知症、レビー小体病など
- パーキンソン病およびその類縁疾患
- てんかん
- 末梢神経障害: ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 筋疾患: 多発筋炎、進行性筋ジストロフィーなど
- 感染症: 脳炎、髄膜炎
- 睡眠障害: 睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、レム睡眠行動異常症など
頭痛の代表は片頭痛と緊張型頭痛ですが、その他にも、群発頭痛や精神科疾患に伴う頭痛、 鎮痛剤の乱用によって生じる薬物乱用性頭痛などがあります。 時には命に関わる重大な疾患が頭痛の原因になっていることもあります。
脳血管障害のうち、脳内出血やクモ膜下出血、硬膜下血腫などは脳神経外科が治療を担当しますが、 脳梗塞の治療や脳卒中の再発予防などは主に神経内科が担当します。
高齢化社会を迎え、認知症はますます重要な疾患となってきています。 最近、認知症の診断や治療は飛躍的に進歩してきています。 早期診断による治療開始が大切です。
パーキンソン病も高齢化に伴って増加した疾患です。 原因不明の難病といわれてきましたが、適切な治療を行うことによって機能を長期に保つことが可能になってきました。
てんかんは偏見を持たれがちな疾患ですが、適切な治療により、 多くの患者さんは普通に社会生活を送ることができるようになります。
筋萎縮性側索硬化症や脊髄小脳変性症などの神経難病といわれている病気も神経内科が担当する病気です。 治療が困難なものもありますが、よりよい療養環境を提供する方策や体制は格段の進歩を遂げています。
これら以外でもギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発神経炎などの末梢神経障害、 多発筋炎や進行性筋ジストロフィーなどの筋疾患、脳炎や髄膜炎等の神経系の感染症、睡眠障害などを神経内科は担当します。
下記のような症状がある場合は神経内科に相談するのがよいでしょう。 参考にしていただければ幸いです。
神経内科に相談する症状
頭の痛み もの忘れ しびれ めまい
勝手に体が動く、ふるえ 力が入らない
歩きにくい、ふらつき、つっぱり むせ
しゃべりにくい 引きつけ、けいれん
ものが二重にみえる 意識が悪い など
神経は大きく分けて、脳・脊髄などの中枢神経とそれ以外の末梢神経があり、全身に広がっています。 神経に何らかの障害を来たすと、さまざまな場所にさまざまな症状が表れます。
いずみの病院神経内科
当院では3テスラおよび1.5テスラのMRI撮影装置が稼働しており、 針筋電図のほか電気刺激装置や磁気刺激装置を用いた電気生理学的検査も可能です。 必要に応じてこれらの検査機器をも使用して神経疾患の診断治療を進めていきます。
リハビリテーション医療が充実していることが当院の特徴です。 リハビリ部門との綿密な連携のもとで治療が進められます。 特殊な治療としては、多発性硬化症やギラン・バレー症候群、慢性炎症性再発性多発神経炎などの 免疫性神経疾患に対する血液浄化療法を行っております。 ボツリヌス療法では、眼瞼痙攣や顔面痙攣、痙性斜頸について、数多くの経験を積んでいますのでお尋ねください。 また、当院の脳神経外科はパーキンソン病の脳深部刺激療法で全国でも有数の実績を誇っております。 脳神経外科との連携をとって治療を進めていきます。 なお、本来は精神科の守備範囲であるうつ病や不安障害にも対応します。
神経疾患の中には治療が難しい神経難病があり、筋萎縮性側索硬化症のように人工呼吸器装着の決断を迫られる場合もあります。 当院ではこのような神経難病の治療にも積極的に取り組み、療養上のさまざまな問題にも対応しますので、ご相談ください。
神経内科 信國圭吾