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人工透析

オンラインHDFとは

なぜ透析が必要なの?

さまざまな原因で腎臓の働きが悪くなり、腎臓がほとんど働かなくなった時に行なわれるのが人工透析です。

腎臓は、

老廃物を除去、余分な水分を除去、電解質の調整、PHの調整 (人工透析で腎臓の代わりができる)
エリスロポエチンの生成、活性型ビタミンDの生成 (人工透析で腎臓の代わりができない)

を行っています。

しかし、人工透析で腎臓の働きをすべて行なうことはできません。 そのため薬物療法や食事療法が大切になってくるのです。

また、人工透析は、標準的には週に3回、1回あたり3〜5時間が必要です。 通常の腎臓は24時間365日稼働していますから、やはり人工透析だけでは、腎臓と同じ働きをすることはできませんので、 その分、日常の過ごし方など自己管理の注意が必要となってきます。

当院では、透析を始めたらどう過ごせばいいの? など患者さまの不安にお答えできるよう、 またよりよい透析生活を過ごせるように 透析治療へのさまざまな取り組みを行なっています。

透析ってどんなことをするの?
透析の原理

透析は、血液を体から取り出しダイアライザーと言われる人工腎臓を通して血液中の老廃物を取り、 電解質バランスを整え、きれいになった血液を戻すという方法です。

なぜダイアライザーを通すと血液がきれいになるのか? と思われるでしょう。 ダイアライザーは、中空糸と呼ばれるストローのような形状の半透膜が約1万本の束になっています。 この半透膜のストローの内側を血液が、外側を透析液が通っています。 この半透膜には小さな孔が空いていて、孔を通ることができる血液中に溜まった老廃物や余分な電解質が、 この半透膜の外側を流れる透析液の方に流れ出し、老廃物が除去され、電解質のバランスが整うのです。

なぜ老廃物が透析液の方に流れ出すかといいますと、血液中には不要な老廃物が溜まっていますが、透析液には老廃物がありません。 濃度の高いものと濃度の低いものとを合わせると同じ濃度になろうとして老廃物が移動します。 濃いコーヒーに水を入れると薄いコーヒーになるようなイメージです。 移動した老廃物が入った透析液は捨てられ、ダイアライザー内の中空糸の外側には常に新しい透析液が流れ、 また同じ濃度になろうとする行為を繰り返し、だんだん老廃物がなくなるのです。 濃いコーヒーに水を足して薄めたら半分捨てて、また水を足してを繰り返すともうコーヒーとはいえないぐらいに薄くなりますよね。 血液中に溜まった老廃物を取り除くしくみはこういった拡散という原理を利用しているのです。

透析とオンラインHDFってなにが違うの?

HDFとは血液透析にろ過を加えた治療法です。

もともと腎臓では、血液を血圧という圧力によって腎臓というフィルターでろ過を行い、 余分な水分や老廃物を取り除いて血液をきれいにし、おしっこをつくっています。 HDFではろ過する量を増やすために補液をし、血液透析よりろ過を多量に行うことで、 血液透析では取り除きにくい半透膜の穴の大きさに近い、低中分子蛋白といわれる物質を取り除くことができます。 イメージしてください。 浮き輪の穴とほぼ同じような大きさのおなか周りの人が浮き輪から出るには、浮き輪を手で押し下げますよね? そんな感じで、穴の大きさに近い、取り除きたい物質を、ろ過という力を透析よりいっぱいかけることで取り除く治療法がHDFなのです。

HDFのなかでも、オフラインHDFとオンラインHDFという方法があります。 オフラインHDFは瓶や補液バックに入った薬剤を補液として使用するのでろ過するために足される補液量は少なく、 オンラインHDFは透析液をそのまま補液として使用するため、ろ過するために足される補液量が多くなります。 そのためオンラインHDFのほうがより多くのろ過をかけることができ、より多くの老廃物を取り除くことができるのです。

透析を長期続けると起こってくる合併症にアミロイドーシスがあります。 これはβ2-ミクログロブリンという物質が関節や骨に沈着して神経を圧迫し、 手の親指から中指にかけて痛みやしびれが出現する症例で、ひどくなると手術が必要になってきます。 このアミロイドーシスの原因であるβ2-ミクログロブリンを積極的に取り除き、合併症を予防することができるのもオンラインHDFの特徴です。 HDFで使用する補液は、ダイアライザーより手前で足され、ダイアライザー出口で捨てられるため、液体が余分に体の中に入ることはありません。

当院では、オンラインHDF治療にはHDF専用のダイアライザーを使用しています。

なぜオンラインHDFをしている施設が少ないの?
エンドトキシン値
細菌培養

オンラインHDFが良いのであれば、どの施設もオンラインHDFをすればいいのに…って思われませんか? オンラインHDFを行なうにはきれいな透析液を使用することが絶対条件です。 厳重に透析液の水質管理をする必要があります。

いずみの病院透析室ではウルトラピュア*といわれる透析液を提供することができるため、安心してオンラインHDFをうけることができます。

* 汚染はエンドトキシンと生菌を測定することでわかります。
 エンドトキシンも細菌も全くない透析液をウルトラピュアといいます。
 透析液が汚染されていない事を確かめるために、毎月必ず検査を行なっています。


より良い治療を!!

医療が日々進歩しているように透析技術も日々進歩しています。

いずみの病院ではより良い透析技術を提供できるよう、スタッフが全国の学会やセミナー、講習会に参加し、最新の透析技術の知識やより良い治療方法を学んでいます。 また、スタッフには透析技術認定士がいます。

参加学会・セミナー
日本透析医学会学術集会 / 日本HDF研究会 / 血液浄化セミナー / 四国透析療法研究会 /
日本臨床工学技士総会 / 透析液清浄化セミナー / 日本腎不全看護学会 など

臨床工学部 松田

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