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脳の病気とサプリメント あなたの飲んでいるサプリメントは大丈夫ですか?
2014/02/07 7階多目的ホール 第37回脳と神経の勉強会

サプリメントとは
クロレラやヒアルロン酸、コラーゲン、核酸、酵素などさまざまな成分を含むサプリメントがありますが、 どれも有効性において信頼できるデータはありません。 また、口から摂取しても胃酸で分解されるため、その有効性は不明確です。 「天然由来だから安全」と謳うものがありますが、それは間違いです。 アレルギーの原因になったり、品質が安定しなかったりといった問題があります。

特定保健用食品は厚生労働省が有効性・安全性を認めており摂取しても危険はないと考えますが、 それ以外のものは認可しておらず、中には健康被害や死亡例が報告されているものもあります。
インターネット上には情報があふれ、簡単に購入できますが、安易に服用するのは避けましょう。
脳の病気とサプリメント
EPA(エイコサペンタエン酸)には血小板凝集抑制作用があると言われ、動脈硬化や血栓予防への効果が期待されます。 しかし、過剰摂取により出血しやすくなる問題があります。
イチョウ葉エキスには抗酸化作用、抗血小板作用があると言われますが、その品質は国内では保証されていません。 血液がさらさらになる薬を服用している方が使用すると、効果が増強され脳出血の危険性が高まるため飲まないでください。
納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓溶解作用もありますが、止血作用をもつビタミンKも多く含むため、 血栓防止薬を服用している方は摂ってはいけません。
コエンザイムQ10は脳機能の劣化抑制、パーキンソン病の進行抑制に効果があることが示されましたが、 試験の規模が小さく信頼性が十分ではありません。
八升豆がパーキンソン病の症状抑制に効果があると言われています。 有効成分を含むため確かに効果はあるのですが、含有量や吸収度などが不明確なため、摂取するのはやめてください。
サプリメントは、あくまで健康な方の健康保持が目的。 治療が必要な方が、服用して受診せず症状を悪化させたり、治療をおろそかにされることが最も問題です。 また、病院で処方された薬を服用している方は、薬の効果を変動させる恐れがあるため、医師にご相談ください。
脳神経センター長 清家真人