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「糖尿病合併症」 「低血糖の対処」
2015/4/22 7階多目的ホール 第40回糖尿病勉強会
糖尿病合併症
内科・糖尿病外来担当医 西岡 真理子

糖尿病の方は一般の方に比べて平均寿命が10年ほど短いという調査結果があります。 その原因は、心筋梗塞や狭心症、腎不全、失明や足壊疽など、生命や生活の質に大きく影響する合併症。 高血糖の状態を長く放置すると発症し、血糖値が高ければ高いほど発症率は高くなります。 また、急激な血糖値の変化も発症に影響すると言われています。 血糖値を定期的にチェックしてコントロールを心がけましょう。
血糖値を良好にコントロールできれば、合併症の発症率はずいぶん違ってきます。 定期的に検査を受けて合併症を防ぎ、健康な人と変わらない生活の質を維持し、寿命を確保しましょう。

糖尿病合併症
低血糖の対処
看護師

重度な低血糖状態では意識消失や痙攣
昏睡など重い意識障害を起こします。
低血糖とは、血糖値が60〜70mg/dl以下の状態。 軽度では空腹感やあくび、無気力などの症状が現れ、重度になれば意識消失や痙攣、昏睡などを起こします。 低血糖の状態を長く放置していると、低くなってもこれらの症状に気づきにくい無自覚低血糖になり、 かなり進んで重い意識障害が現れるまで気づかない危険な状態になることがあります。 低血糖の症状に気づいたら早めに対処し重度化させないことが大切です。
血糖コントロールは、食事が基本ですが、低血糖になった場合に備え、対処手段を用意しておきましょう。 ブドウ糖の薬やブドウ糖を多く含む食品、砂糖などを携帯しましょう。 また意識を消失した場合、糖尿病治療中であることが分かり周囲の人が対処できるよう糖尿病健康手帳を携帯しましょう。 ご家族など周囲の方が対処する場合は、誤嚥する可能性がありますので水に溶かしたものは流し込まず、 砂糖やブドウ糖を歯茎と唇の間に擦り込むようにします。
糖尿病は完治する病気ではありませんが、血糖値をコントロールしてうまくつきあえば、 健康な人と同じように人生を楽しむこともできます。
低血糖が起きやすい状況
- 薬の飲み間違い・打ち間違い
- 激しい運動・長時間の運動
- 入浴時
- 不規則な食事
- 飲酒
- 食前または食後
- 病気や検査で絶食・食事減量した
- 体調不良で食事が摂れないとき(シックデイ=病気の日) など