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脳卒中と季節の関係
2016/07/01 7階多目的ホール 第66回脳と神経の勉強会


脳卒中の月別男女別発症数
脳卒中の分類
脳卒中には、血管が詰まる脳梗塞と血管が破れる脳出血・くも膜下出血があります。 脳梗塞はさらにタイプにより、ラクナ梗塞・アテローム血栓性・心原性脳塞栓に分類されます。
脳卒中と季節の関係
脳卒中の月別発症数(右グラフ)をみると、疾患によって発症の多い時期に違いがあることが分かります。
寒い時期には、脳出血・くも膜下出血、心原性脳塞栓が多くなっています。 脳出血・くも膜下出血は発症に高血圧が関係しており、寒い時期に血圧が変動しやすいためと考えられます。 心原性脳塞栓は発症に不整脈が関係しており、冬に不整脈発作が多いためと考えられます。
暑い時期には、ラクナ梗塞とアテローム血栓が多くなっています。 多汗や飲酒量増加による脱水などで血流が悪くなり、血栓ができやすくなるためです。
こまめに水分補給して脳梗塞を防ぎましょう。 夏は飲酒量が増えますが、アルコールは緑茶やコーヒーなどと同じく利尿作用があり水分補給にはなりません。 水などノンカフェインの飲料を摂りましょう。 また、就寝前にはコップ1杯の水を飲みましょう。 ただし、心臓や腎臓に疾患のある方には負担が大きくなりますので、注意が必要です。

脳神経外科部長 古庵 葉子