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「低血糖と認知機能低下」「定期的に受けよう!糖尿病の検査」
2016/12/21 7階多目的ホール 第50回糖尿病勉強会
「低血糖と認知機能低下」
低血糖の症状は個人差が大きく、場合によっては突然意識障害が出るなど危険な状態に陥ることがあります。
特に高齢者は心身機能の個人差が著しく、 認知機能を障害したり心血管疾患の危険性を高める原因となる重症低血糖を来たしやすいため【図1】、 血糖値が低くなりすぎないよう注意が必要です。 認知機能、日常生活自立度や服用薬の種類など、患者さんの状態にあわせて、HbA1cの目標値を設定します【下表】。
高齢糖尿病患者のHbA1c目標値

※ インスリン製剤、SU薬、グリニド薬など
低血糖と認知機能低下の関係
低血糖と認知機能低下に危険な関係があることが分かってきました。
糖尿病の方はそうでない方に比べて認知機能が低下しやすく【図2】、
重症低血糖の経験が多いほど認知症発症の危険性が高くなります【図3】。
また、高齢になるほど低血糖症状と認知機能障害出現の境界の血糖値範囲が狭いため【図4】、
慎重な血糖値管理が必要です。
定期的に検査を受けるなど、ご自分の状態を把握して、血糖コントロールと低血糖予防を両立しましょう。




「定期的に受けよう!糖尿病の検査」

臨床検査技師 山本 留美

空腹時血糖値

HbA1c (NGSP)
エネルギー源となるブドウ糖が細胞に供給されず血液中にたまり、血糖値が高くなった状態を糖尿病といいます。 初期にはあまり自覚症状がないため、治療しない人も少なくありません。 しかし、血糖値が高い状態を放置していると、数年から10年ほどでさまざまな合併症を引き起こします。
糖尿病の怖さは、合併症です。 自覚症状がなくても油断せず定期的に検査を受けて、血糖値のコントロールを心がけましょう。
糖尿病の検査
診断のための検査
- 空腹時血糖値 【右図】
- OGTT2時間値
- HbA1c (NGSP) 【右表】
糖尿病の型を決める検査
- インスリン
- C-ペプチド
- 抗GAD抗体などの自己抗体
血糖コントロールをみる検査
- 血糖値
- HbA1c
- グリコアルブミン
合併症の検査
- 尿検査
- 血液検査 など